ドムスを見ていて目を引いた写真があります。有機的な形態だけれど、建築とわかる、海の生物が突然変異したような、SFの映画に出てきそうな幻想的な建築。これらは、OpenAI研究所によって開発され、テキスト入力に基づいて画像を生成できる、AIアルゴリズムの1つです。

 

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Midjourney AIは、独立した研究所のAI。プログラミング言語がわからなくても、Midjourneyがあれば、テキストが入力されると、その画像を出力します。写真そっくりのリアルな画像も、芸術作品のように加工された画像も生成することが可能になります。

ただし、同様のメカニズムを備えた他のアルゴリズムは、より合理的で混沌さも少なく、単なる実験や楽しみを超えた用途を目指しているそうですが、Midjourneyの場合は、ディープラーニングの使用の可能性にますます注意を払うセクターである建築の世界に急速に興味をそそられ、魅力を感じている、Machine Hallucinationと題された最新の建築デザインのモノグラフのような。

Machine Hallucinationで検索してみると下記のようなウェブがヒットしました。こちらはそのYoutube。

Midjourneyは、建築の喚起と魅力を生み出すのに最適です」と、Ecosistema Studioの建築家兼創設者であり、前回のヴェネツィアビエンナーレで展示されたVillaPostumanaプロジェクトの著者でもあるMarioCoppolaは語ります。 「最近まで、クリエイティブとデザインのプロセスで最も困難な部分は、まさにコンセプトでした。代わりに、『植物に満ちた別荘』などの一連のキーワードを通じて、Midjourneyはさまざまな選択肢を提示することに成功し、これらのオプションの1つ以上から独自のプロジェクトを開発できます。一般に、良い結果を得るには、7回または8回の反復を何度も繰り返す必要がありますが、最終的に得られるものは、場合によっては非常に印象的です。」

建築設計に実際に使われるには、まだ現実的ではなさそうですが、建築にもAIが使われ出してくるのはそう遠くない未来なのかもしれませんね。建築を設計する際のコンセプトをAIが取って代わる世界は、まさにコンピューターに乗っ取られた世界のように感じるのは私だけでしょうか。コンセプチュアルな部分は、人間であるからこそできる部分だと思っていたのは、もう古い時代の人間になるのかもしれません。

「アレクサ、ムードのいい音楽かけて。」のように、「砂漠の環境に馴染んだ家をデザインして」と指示すると、その風土気候にあった素材を選び出し、今までの建築パターンの中から、最も適したいくつかのパターンが提示されて、その中から最も気に入ったプランを選ぶ、というような世界。人よりも、コンピューターの方が人を魅了できるデザインを提案してくるのなら、そういう未来はありえる。

AIが取って代わることで、「将来なくなる職業リスト」を見たことがあったけれど、創造性を生かすクリエイティブ業は、まだ生き残れたはずでした。しかし、この分では、建築家もデザイナーも未来に生き残っているかどうか怪しいものになってきたな、とこの記事を読んで思ったのでした。

記事の全文はdomos webでどうぞ。イタリア語と英語でお読みいただけます。

用語解説
domus
domus』(ドムス)は、イタリアの建築雑誌。1928年に建築家であるジオ・ポンティ(Gio Ponti, 1891年 – 1979年)により創刊された。建築およびデザインの分野で世界的に著名な雑誌であり、同分野に対して大きな影響を与え続けている。

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