先日、神戸にあるデザイン・クリエイティブセンターで開催された、建築家ミケーレ・デルッキ氏と建築家 藤本壮介氏、そしてモデレーターはELLE DECOのブランドディレクター 木田隆子氏という豪華な顔ぶれのトークショーにいってきました。

そもそもこのトークショーは、2年ほど前に開催されるはずだったのですが、コロナで流れてしまったものでした。15時から始まって、当初17時までの予定のトークショーが17:30近くまで行われました。普通なら、日本では、時間きっちりに終わることが多いと思うのですが、主催者がこのデザイン・クリエイティブセンター神戸だったということもあってか、少し時間が押しても何の問題もなく、イタリア的な時間の感覚を思い出したのでした。

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ミケーレ・デルッキ氏は、ご存知の方も多いかもしれませんが、イタリアでは、マエストロと呼ばれる著名な建築家です。イタリアのデザイン界の先端で常に私たち若いデザイナーや建築家にインスピレーションを与え続けていた方です。そして、現在もなお、「EARTH STATION」という未来を共有する建築を提案されています。毎年、展示を行ってはいたものの、今回の展示会は、初めて完全な形で全てのプロジェクトを紹介できる展示会になったそうです。

トークショーでは、プロジェクトの説明や、サークルの意味、木という素材について、アリの話、人間の可能性、未来のためにできることなど、多くの話題に触れられたのですが、私がその中で一番印象だった部分を少しだけお話します。

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建築家は、建物を通じて物語を語る

20万年前のホモサピエンスが誕生した時代、恐竜がいたかもしれないし、多くの毒性植物や火山の噴火などで、時代は人が生きる環境としては過酷であっただろう。しかし、我々人類は多くの苦難を乗り越えて生き延びて来た。

私たちは人間同士がコミュニケーションでき、物語を語ることの出来る唯一の生物。紙切れに価値を持たせたのは人間。ボールを蹴ってゴールに入れると言うゲームや規則作ったのも人間。人間は多くの事を発明して来た。

どれだけ未来のアイデアを発明する事が重要か。
現代私たちが抱えている全ての問題を解決する事はできない。が、建築家は良い空間や平和で明るく、幸せな空間を作る事は出来る。
建築家は建物を通じて物語りを語る。

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要約でどこまで真意が伝わるかわかりませんが、その言葉の端々に深い洞察と愛と知性が滲み出たトークでした。未来が明るく見え、深く心を動かされた内容でした。

私は、イタリアでも多くの著名人の講演や対談を生で聞いてきましたが、マエストロと言われる方々は総じて人格者だということに今回改めて痛感したのでした。日本でミケーレ・デルッキ氏にお目にかかれたことは、今後の私の仕事の栄養分となり、未来に馳せる想いに心が浮き立つような感覚さえ抱かせていただきました。

また、建築家の藤本壮介氏との対談は、側から見ていて相思相愛の友情を見るような温かみのあるとても微笑ましいものでした。

トークショーの冒頭で、美しい声で円滑な進行を促された木田さんが「今回の展示会やトークショーで何か一つでも未来のヒントになるようなものをお持ち帰りいただきたい。」とおっしゃっていたのがとても印象的で、最初から最後まで暖かい想いと幸せに包まれたトークショー。そういう場はそうあることではないと思います。

この展示会の趣旨と根底にある思索や想いがクリエイティブなことに携わる多くの方へメッセージとして届くことを祈っています。

展示会は、8月7日まで開催されているそうですので、ご興味のある方はぜひ足を運んでみてください。

EARTH STATIONS by AMDL CIRCLE
ミケーレ・デ・ルッキと未来を共有する建築

日 時 2022年7月16日(土)~8月7日(日)11:00~19:00 ※月曜休

場 所 ギャラリーC

参 加 無料

主 催 デザイン・クリエイティブセンター神戸

協 力 杢谷一級建築士事務所、株式会社愛知模型コンサルタント、株式会社 徳岡工務店、tanagokoro株式会社

後 援 神戸市、イタリア大使館、在大阪イタリア総領事館

協 賛

六甲山サイレンスリゾート、八光自動車工業株式会社、株式会社リビング・マーケティング、株式会社サンゲツ、ALESSI、Alias、Artemide、Caimi、Cassina ixc. 、Danese、De Padova、Gebrüder Thonet Vienna、JINS、Poltrona Frau、Produzione Privata、Unifor

企 画 AMDL CIRCLE

https://kiito.jp/schedule/exhibition/articles/56727/

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